関西学院大学サッカー部に繋がる一貫指導で、楽しく賢く考えるサッカー!

59.権威を疑え

おもろい話

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楽しい事をメモしておくと人生が楽しくなると言う。
サッカーに関係あることないこと、楽しかったことや面白かったこと、
心打たれたことなどページをめくってみよう。

権威を疑え

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昔やっていたけど最近の小学校の身体検査でやらないことがあります。
虫下しを全員に飲ませることと脚気の検査、です。

脚気の検査は足の届かない椅子に座らされ、膝のお皿の下を硬
いゴムの小さなハンマーでコツンと叩くものです。
脚気でなければ足がぴょこんと跳ね上がります。(腱反射です)

脚気

脚気は今ではビタミンBの不足から起こる病気だとわかり、小学校の身体検査でも省かれる
ほどですが、明治時代には毎年1万〜2万人もの人が亡くなり、結核と並び2大国民病と
恐れられていました。

脚気はビタミンB1の欠乏により起こり、心不全と末梢神経障害をきたす病気です。
心臓の機能が落ち、足にむくみやしびれが起こるので脚気と呼ばれます。

かつて江戸、今の東京で脚気が流行していたので、脚気のことを「江戸患い」とも呼んでいま
した。それは都会っ子の「江戸っ子」は白米を食べることがステータスでありかっこいいと
思い、白米食が主流になっていた為と思われます。東京以外の田舎ではまだ麦飯を食べて
いました。

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一方で、東京で蕎麦がよく食べられるのは蕎麦にはビタミンBが
豊富に含まれていて脚気にならないということを「生活から得た
知恵」として感じていたのかもしれません。

脚気による死亡者数が年間1千人を下回り、この恐ろしい病気が
収束するのはアリナミン他のビタミンB製剤が社会に浸透する1950
年代後半のことです。

しかし1975年頃からジャンクフードの普及でビタミンB不足になり脚気がまた盛り返すと
いう現象が起こり問題になりました。

食事の大切さを物語る「脚気の歴史」です。

海軍医務局長・高木兼寛

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海軍軍医・高木兼寛はイギリス留学中、ヨーロッパに脚気がない
ことを知り、日本で脚気が多く、軍隊でもたくさんの兵士が亡く
なるのは白米を主食とする食事で蛋白質が不足するのが原因では
ないかと考えました。

そこで高木は海軍の遠洋航海で、蛋白質の多い麦飯を主食にした
新しい食事の船と、従来の白米中心の食事の船に分けて実験を行
いました。

その結果、麦飯の船には脚気の兵士がいなくなり、従来通りの白米食の船には脚気が多発
しました。
この結果をもとに、海軍では麦飯を食事に採用し、以降脚気の患者と死者は事実上無くなり
ました。

高木のこの「脚気はたんぱく質の不足により起こる」という推論は結果的には間違いでしたが、
実験によって得た結果すなわち臨床での事実を重視した高木の判断はその後多くの兵士の命を
救うこととなりました。

因みに高木兼寛は慈恵医大の創設者です。

陸軍軍医総監・森鴎外

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一方、文豪で知られる森鴎外(森 林太郎)は、東大卒の医師で陸軍の
軍医のトップに上り詰めた権威でした。
ビタミンが発見される前でもあり、高木の説「麦飯が脚気の防止に
効果がある」というのは科学的なエビデンスがないと、森鴎外は
高木を徹底的に攻撃し否定しました。

鈴木梅太郎によってビタミンが発見される前は、脚気は細菌による
病気だとする説が固く信じられていました。

この為、海軍での麦飯兵食の実験結果を知っていたものの、海軍と高木に対する反発から
「帝国陸軍の兵隊に麦飯なんぞ食べさせられない」と言う森鴎外の指揮のもと、白米食を
続けた陸軍では何万人という脚気による死者を出し続けました。

また、同じ東大の中でも農学部の鈴木梅太郎のビタミンの発見は、医学部の森鴎外他の権威達
から徹底的に反発され、それが鈴木のこの世界的な大発見にノーベル賞が与えられなかった
原因になったとも言われています。

権威を疑え

これは東大の医学部で学んだという、その世界で上に出るもののいない権威・森鴎外の強
すぎるプライドとメンツから起こった悲劇です。

またドイツに医学を学んだ森鴎外とイギリスに医学を学んだ高木兼寛のバックグラウンドの
違いもあります。
ドイツ医学の、あくまで研究による科学的なエビデンスを重要視する考え方と、イギリス医学
の臨床や実験の結果を重要視する考え方の違いです。

しかし権威が謙虚さを失ったときに、意図するか否かを問わずまわりにどれほどの負の影響を
与えるかはおそろしいばかりです。

「水飲むな」では、権威と言われた人の言動でその後の50年以上にわたり、日本中の
アスリートが苦しんだことでもわかります。

日本の剣術の最高峰、宮本武蔵が生涯をかけて到達した剣術と兵法の奥義を記したその著書
「五輪書」の中で、「この本を読んでも剣術や兵法が上達するものではない。自分のものと
するためには自分で考えやってみることだ」と言う意味のことが書いてある。(私の記憶が
正しければ!)

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