関西学院大学サッカー部に繋がる一貫指導で、楽しく賢く考えるサッカー!

タヌキの手抜き♪手抜きのタヌキ⑧

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怪我の話 その2 ケガに対する考え方

今回は『ケガ』の話の2回目。ケガについての考え方…というか、サッカー観、いや人生観
にまで影響するかもしれない話を3つご紹介したいと思います。

<1> ケガを隠す?

かっこいいお兄さん

ぽんきちが子だぬきを育てていた頃、子だぬきと同じ小学校にサッカーの上手な、
かっこいいお兄さんがいました。
中学生まで地元のクラブチームでサッカーをしていましたが、念願かなって
高校選手権にも出場するような、サッカー部が強い高校に入学しました。

1年生ですぐにレギュラーになって活躍し、周囲からは大好きなサッカー漬けの
毎日で、充実している高校生活を送っているように思えました。

ところがある日、町で見かけたら心なしか元気もないし歩き方が変なのです。
気になっていたところにばったりお兄さんのお母さんに出会いました。
「最近お兄さん、どうですか?さっき見かけたけど疲れてない?」と聞いてみました。

すると「毎日練習ばっかりでしょ。土日も試合で…。実は監督には言えないんだけど
捻挫したらしいのよ。でもケガがわかったらレギュラー外されちゃうし、練習休んだら、
たるんでる!!って怒られるらしいのよね(/_ヽ)

第一、医者に行く時間もなくて遅くまで開けてる近くの接骨院に行ったりしてるん
だけど、電気かけたりマッサージして来たりしても、ちっとも効き目がないらしくて…。」
という答えでした。

なんか変ですよね。ケガは治すもの、負傷したらまずは医者の診断を受けて、
治療するのが当然と思っているぽんきちには理解できませんでした。

ケガの程度や部位にもよりますが、ケガをしたままでは思いっきりトレーニング
することはできないのが普通です。
サッカーの練習中のケガなら尚のこと、監督に報告しなくてはならないと思い
ますが、ポジション争いの激しい名門校ならではの悩み(?)なのでしょうか?

ケガがばれたらレギュラーから外されるから隠してるというのも変!! 
だって監督さんはプレーを見たらケガをしてるかそうではないか、なんてわかる
でしょう。
部員数の多いサッカー部なら、その選手を休ませたって他に選手はいるわけだから、
ケガを隠してでもプレーを続けるのはレギュラーを取られたくないお兄さんの一途な
気持ちだと思うけど…。
でも、騙しだましプレーを続けて上手になる訳がありません。

<2> 治療、リハビリ、復帰の判断

soccer doctors

ご自分でもボールを蹴っている整形外科のサッカードクター達
の気さくな懇談会がありました。そこに出席した時の話です。

アンダー世代の代表にも帯同しておられるドクターが興味深い
データを提供してくださいました。

時期こそ違うものの、ポジション的にも体格的にもあまり差が
ない選手2名が、同じケガをしました。その2人の、ケガをした
時から復帰までを運動テストの得点で追いかけたデータを
グラフにして見せて下さったのです。

数値的な部分はお渡し頂けなかったのでぽんきちがイメージでグラフを再現すると
こんな感じです。【図1】
s_tanuki8zu.png

                           【図1】

A選手は復帰を焦り、ケガが少し回復してきた頃に無理をしてトレーニングを始めたと
言います。まだ痛みが残っていたために、思うように走れなかったり、キックも正確に
蹴れなかったりして100%の力を発揮できない状態が長く続き、結局は回復に時間が
かかってしまいました。

B選手はじっくりケガを治すことを心掛け、ケガの回復を目標にリハビリに励みました。
その結果、ボールに触れない期間は長かったのですが、回復に要する期間も短くて
済み、トレーニングに復帰してからは100%の力でサッカーに打ち込むことができたため、
技術面での到達点も高かったということです。

ケガをしてしまったら、完治とリハビリ、復帰の判断は難しいけれど、しっかり治してから
の方が良いことがわかりましたか?

<3> 痛み止め

痛み止め

また別の日の懇談会で話題になったケガについてのサッカードクター達
の会話です。

Dr.N「先生方はご自分で見ている選手がケガをしている時、痛み止めは
どの程度まで使いますか?」

Dr.K「僕はなるべく使いたくないです。麻酔を使ってその場の痛みを抑える
ことはできますが、痛みがないと、本人が治ったと勘違いして普通にプレー
してしまい、結局ケガのダメージがひどくなり、完全に治るのが遅くなるから
です。

ケガをしている選手をどうしても監督が使いたい!という時には、監督にも本人にも
そのことをきちんと納得いくまで説明し、理解してもらってから薬を使うかどうか判断して
います。」

Dr.N「やはり、そうですよね。その選手しか監督の思い描くサッカーができない、と言わ
れれば痛み止めを使ってでも試合に出られるようにはできますが、選手のためには
ならないですよね。」

Dr.K「はい、チームのためにもならないでしょう。ベンチの選手達が『あのケガ人より、
自分は劣るのか』と士気にも影響します。」

Dr.O「その選手がどこを目指しているのかにもよると思いますが…。つまり、目先の試合
には出られなくても、数年後の(あるいは数ヵ月後の)ワールドカップ予選には出たい、
というのであればそこにリハビリのスケジュールも含めて、完治の照準を合わせるように
治療したいと思いますね。」

Dr.N「では、先生方ご自身が選手だったらどうですか(笑)?」

Dr.K「僕が選手だとしたら?出られる可能性はそれはもう限りなく少ないので、痛み止め
を打ってでも何をしてでも、必死になって出場できるようにしますよ、もちろん!!
その試合で僕のサッカー人生が終わっても悔いはないんですから(大笑)」

たとえドクターと言えども人の子、試合に出たい!という気持ちは最初の話のお兄さんと
変わらないのですね。

自分の人生/自分の目標

最後のドクターの話で、「どこを目指しているのか?」というところは
大事な部分です。どの試合だって大事な一戦であることに違いはありませんが、自分の
選手生活の中でどこを到達点に定めているのかってことを意識すれば、わかりやすいかな?

rehabilitation

2番目の話と合わせて、自分の人生曲線を思い描いてみると、ケガや
それに伴うリハビリについて、判断する基準ができると思いますが、
どうでしょう?

そしてもう1つ、忘れないで欲しいのはサッカーが終わっても、
人生は続くってこと。
復帰を焦ってケガした部分を騙しだまし使ってサッカーをした
ために、一生ダメージを抱えたまま過ごさないといけないなんて
事態も、自分の判断基準によっては起こります。

どうしても「俺が」この試合には出ないと!という世紀の大一番は、そんなにはないものです。

最初の話のお兄さんのその後ですが、高校2年生の夏の大会で予選敗退。
ケガのこともあってお兄さんはサッカー部を退部し、大学受験に切り替え、見事合格して
またサッカーを始めました。でも、大学ではサークルのサッカー部で楽しくプレーし、勉強と
両立させて卒業されたそうです。

次回はケガをしてしまった時何が出来るか?何をすべきか?について一 緒に
考えてみましょう!
ぽんきちが使っている応急処置用のウェストポーチも大公開の予定です(^_^)b

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